2011年11月19日土曜日

ちょうちょうと遊ぼう

13:41 2011/11/19

    
 国蝶オオムラサキの越冬幼虫の調査(2)

亀崎地内の林の探索、成虫の吸汁するクヌギはかなりの数があった。エノキはその林内には見当たらなかったが、外郭の道路に面したところには数本のエノキの大木があるから生息は可能と思われた。四街道市千代田3丁目地内のエノキの大木3本、根元の枯葉裏に静止のゴマダラチョウの越冬幼虫を5匹発見、その場に保存、来年の初夏には元気でたくさんの卵を産んでくれ!と声をかけた。結果は定かではない。11月の越冬幼虫の数を調査するしか方法がない。オオムラサキの幼虫は背中に4個の三角の突起物をもつが、ゴマダラチョウは3個の突起物を持っているからオオムラサキとは区別が簡単明瞭だ。佐倉市あぜ畔た田地内、同おぶかい生谷地内のエノキでもゴマダラチョウの幼虫しか発見できなかった。

平成16年1月30日千葉市営平和公園内のエノキでとうとうオオムラサキの越冬幼虫を21匹、2月15日に13匹、公園東隣接地で1匹、それぞれ発見、やはり千葉市内にもオオムラサキは生息していたのだ。発見した時の歓びは何ともいえない快感が体の中を走った。幼虫に乾杯だ!
  
     
  越冬中のオオムラサキ

   
  越冬中のゴマダラチョウ

体長13mm~15mmくらいの小さな幼虫だ。見れば見るほど愛しいものだ。これが夏に大きな幼虫になって蛹となり、きれいな国蝶オオムラサキに変身するとは想像できない。
11月中旬のころ、食樹のエノキから越冬のため根元の落ち葉へと降りる。自分の気に入った落ち葉の裏で糸を張って冬眠にはいるのである。

2011年11月15日火曜日

ちょうちょうと遊ぼう

10:36 2011/11/15

国蝶オオムラサキの越冬幼虫の調査(1)


もともと千葉県北部、千葉市、四街道市、佐倉市等には生息していたと聞いていたので、千葉の地元でオオムラサキが飛んだら素晴らしいとの思いから越冬幼虫の探索を平成16年1月から開始した。
調査するにあたり、自宅から半径20km以内の林を選んで調査を進めることにした。千葉市若葉区多部田町地内、千葉市営平和公園、同東隣接地、同西隣接地、千葉市若葉区小倉町地内、千葉市若葉区加曾利貝塚地内、千葉市若葉区月の木塚古墳地内、千葉市若葉区仁戸名市民の森、四街道市内黒田地内(四街道市営霊園南北)、四街道市千代田3丁目地内、四街道市亀崎地内、佐倉市畔田地内、佐倉市生谷地内、佐倉市羽鳥地内、等を目的地と定めて調査を開始した。


      
       
      平和公園東隣接地

 
月の木塚古墳















オオムラサキだけではなくそこに生息しているチョウについても採集、そのチョウが食している植物の生育状況等も調査の目標とした。開発による環境の変化で、昔の生息種と現在の生息種との比較、絶滅の種、新しく侵入してきた種などの調査である。自然の開発行為を止めろと言ってもそれは地権者、国の事情で無理なことであろう。開発されて虫食い状態にされた少しばかりの土地で今後生きられるチョウ、死滅するチョウを調べるのもなかなか興味のあることだ。人と生き物の係わり合い、自然の仕組み、興味はつきない。千葉市若葉区小倉町地内、若葉区多部田町地内、若葉区仁戸名町市民の森、四街道市内黒田地内、多数のエノキがあるのだが、オオムラサキの越冬幼虫は発見できなかった。


      
四街道市内黒田地内


同左
去年オオムラサキの成虫を亀崎地内で見かけたという人に四街道市 内黒田地内で出会った。その人の言うには10年ほど以前まで狩猟をしていて夏の猟場の調査でオオムラサキの飛ぶのを見たと言っていた。以前にはかなり普通に見られたようだが、現在ではたまに出会うだけだと言っていた。数は少ないが生息していることは確かであろうと思われ、いよいよ探すのに希望が持てた。

2011年11月7日月曜日

ちょうちょうと遊ぼう

13:51 2011/11/07


    千葉市・四街道市に生息の蝶、以前との比較


千葉市では1967年(昭和42年)56種(千葉県昆虫同好会調べ)このほか図鑑によると2種、(ウラゴマダラシジミ、テングチョウは以前からいた様で42年当時たまたま採集できなかったものではないかと思われ、この2種を追加すると58種で、2004年(平成16年)以降、2007年までの4年間の採集で、39種、自分一人の採集なので確かな数字ではない結果だが、うち3種は新規採集したもので、この3種は、温暖化の影響と言い切れる現象で、関西以西に生活圏を持つ蝶であることがわかった。種名、クロコノマチョウ、ナガサキアゲハ、ツマグロヒョウモンの3種で、食草が多くある関係で当地にて繁殖し、定着したものと思う。クロコノマチョウはイネ科のススキ、いね、たけ、ささ、など、ナガサキアゲハはみかん科のウンシュウミカン、キンカン、ユズ、サンショウ、カラタチなど、ツマグロヒョウモンはスミレ科のスミレ、ノジスミレ、パンジー、タチツボスミレなど多くのスミレ類など。採集結果の比較では、結局22種が40年の過去に森林や原野が開発された結果、限られた植物などを摂食する蝶が減少したのである。
生きているものすべてが持ちつ持たれつの関係にある。

 
      
     テングチョウ テングチョウ科

ウラゴマダラシジミ   シジミチョウ科

群馬昆虫の森、先生の話しで、“シジュウカラ”という野鳥の子育てを例にとると 5羽の雛が巣立つまでの約20日間、親鳥2羽が蛾の幼虫を約3500匹運んだことが確認されたそうだ。1羽あたり約700匹の幼虫を食したことになる。この時期は6月で蛾も産卵して幼虫が多く発生する時期と重なっている。鳥がそれら幼虫を食さなければそれこそ木の葉は食べつくされ、そこら一面、蛾でその被害は計り知れない。自然界ではそれぞれがみんな食うか食われるかの生存競争で均衡が保たれているのだ。


      
      クロコノマチョウ ジャノメチョウ科
ツマグロヒョウモン タテハチョウ科

ナガサキアゲハ アゲハチョウ科
食物連鎖の中で、世界中に約113万種いる昆虫は、人間を頂点とするならば、底辺に生き、すべてを支えてくれている生き物だ。人間は昆虫を無視することができないはずだ。
昆虫に感謝すべきと 思うのは自分一人の考えか、自然の仕組みを考えれば、感謝する気持ちになるに相違ない。
昆虫から教えてもらうことは少なくない。

2011年10月30日日曜日

蝶の魅力と自然保護

21:36 2011/10/30


蝶の魅力と自然保護


最近、自然環境の保護が、ずいぶん一般の関心を呼ぶようになった。
掛け声ばかりで実行するとなると非常に難しいところがある。
依然として環境破壊が続いている。人間の一方的な利益のために、生き物たちが犠牲になっているのが現状だ。少しの雑木林でもあれば、森林性の蝶や昆虫が生きられるのに、きれいに手入れをされ、きめられた草花や植樹で整備された公園では生き物は生きられない。
なぜなら蝶や虫たちの多くは、雑食性のものもいるが、ほとんどが限られた食物しか摂食しないのでその植物がなければ生きられないのである。それに高度経済成長が続いて、いつの間にか自然が失われてしまった。

減少している貴重な生き物を指定して保護することは、もちろん大切なことであるが、固体を指定保護するよりも、まずその摂食する植物環境を整えることが先決だ。人間が生活向上を望むのは、あたりまえだから開発は止ない。自然の仕組みをよく考慮して、その場所が開発可能か否かを決定すべきである。自然の仕組みを理解しないでやたらと開発をしたら災害にもつながってしまう。
そこでこれからどのようにしたらよいか実行することは、虫くい状態に残されたところ、里山の植物を大切にすること、都市部公園でも生き物が共存できるように整備してもらいたいものである。各家庭の庭にも草花をおくことも大切だが、昔からこの辺の土地にあった山野草、蝶や虫たちの摂食する食樹、たとえば みかん、きんかん、ゆず、サンショウなど蝶になってから吸汁に訪れる草花、アザミ、つるがのびて邪魔になるがヤブカラシ はぎ、ヒャクニチソウ、ぼたんクサギ、などいろいろなものを庭の配置を考慮して植えておくことが、身近にできる環境保全につながるものと思う。


     
      
小倉の森

小倉の森


 
      
    樹液を出すクヌギ
森の掃除屋 オオヒラタオサムシ
 

2011年10月21日金曜日

オオムラサキ飼育

14:23 2011/10/21

  オオムラサキの飼育(5)

蛹化への脱皮、前蛹から2日後脱皮開始 最初胴体側面に白線が現れ
頭部から順次脱皮する。割れた頭殻が本体伸縮運動によって次第に尾端へとせり上がってゆく、脱皮最終段階では尾端部のカギを糸束にしっかりと固定して殻を振り落として終了する。所要時間約70分の仕事。
蛹化から14日経て羽化の開始、眠起から約3ヶ月経過、頭部の殻が裂けて頭部から胸部、脚部、腹部と順次脱出、腹部が殻から抜け出ると羽化約3分の所要時間を経て終了、頭部を上にして静止羽が伸びきると汚物を排泄して翅の固くなるのを待ち、羽化後約4時間で飛翔した。


蛹への脱皮





蛹と終令幼虫

 
羽化 約3分で殻から脱出

羽化終了
  

2011年10月20日木曜日

オオムラサキの飼育

18:50 2011/10/20

   オオムラサキの飼育(4)

4月6日 約170日の越冬休眠から眠起(目覚め)し 21日経過して第4回目の脱皮、5令初期の幼虫、体長約22mmに成長した。
眠起後57日経過して第5回目の脱皮、6令幼虫となった。初期段階での体長約44mm、体重876mgと成長、眠起後77日経て計測した結果、体長約69mm、体重4900mgとなった。その3日後前蛹化した。エノキの枝と葉に念には念を入れ糸を吐き出し貼り付けその作業約90分で逆さまに吊り下がり静止して蛹化を待った。

      
     眠 起 越冬の眠りから覚めて
     エノキに登り木の又などに台座を
      作り静止、夜間新芽を食べに出かける





















   
 5令初期の幼虫
 
    








 6令幼虫(終令)

           
前蛹体


2011年10月15日土曜日

オオムサキの飼育



15:01 2011/10/15

オオムラサキの飼育(3)

その後脱皮を3回(ときに2回)繰り返して4令(または3令)に達し(9月25日3回目の脱皮)体長約16mm、体重約68mgと成長、10月中旬には摂食を停止、絶食に入った幼虫は、葉表の台座(糸を吐いて静止)に静止して越冬準備をする。やがて体色が淡茶褐色の枯葉色に変化し11月9日、台座から離れてエノキの株元の枯葉にもぐり込んで葉裏に台座を作って、翌年4月中旬~5月初旬まで約170日~180日間の休眠に入った。この間も摂食しない。    
 * 体長、体重の測定 
平成17年11月26日 検体6個の幼虫 平均体長約17mm 
                       平均体重約92mg
平成18年 3月10日 検体6個の幼虫 平均体長約14mm 
                       平均体重約53mg
越冬休眠中の絶食により個体はかなり消耗しているようだ。
体長約3mm、体重約39mg減少したことになる。冬の寒さ、乾燥などを防ぐ為、乗り切るには体面積を小さくする必要があるのかな?いやあるがまま自然に消耗して減少すると考察した方が妥当と思う。


 
4令初期体長約14mm









4令中期体長約16mm体重68mg









4令末期の幼虫越冬の準備
体長約18mm      









4令越冬幼虫、左はゴマダラチョウ