9:29 2012/01/06
オオムラサキの飼育
受精卵は色が変わり4,5日で孵化するようだ。幼虫は頭が茶色で体長約3mmのかわいいやつだ。ゴースを被せて今度はアリの薬剤は使用せず、鉢の受け皿に水を張ってアリからの被害を防いだ。1令の幼虫(角を持たない)は無事に2令の幼虫となり頭部に立派な2本の角を持ち背中にはオオムラサキ特有、小さいがそれらしい4本の三角の突起物が見られた。頭部の2本の角はその先端がさらに二股に分岐している。体長約10mmに成長した。2令、3令、4令と脱皮を繰り返して約2ヶ月間を経てしばらく4令で過ごし越冬の準備に入るようだ。4令になると角の先端がやや丸くなる。11月中旬には体色が茶色となり、真夜中自分所有の台座(いつも留って静止している所)を離れて落ち葉の下へ潜って落葉の裏で台座をつくり越冬休眠する。越冬幼虫はエノキの根元が日当たりよく乾燥するところを嫌い北側の日の当たらない場所を選んで越冬する。来年春4月末から5月初め新芽が伸びだす頃に眠起(休眠から目覚める)して若葉を摂食、脱皮して5令、6令(終令)となり6月中旬から7月初めには蛹となる。14日から20日間の蛹の期間を経ていよいよ成虫の美しいオオムラサキの誕生となる。眠起して木を登り枝の股で数日じっと静止、生きているのか死んでいるのか、昼間は木に張り付いている。夜間に若葉の摂食に行動する。孵化してからの幼虫はすべて台座をつくり、糸を吐きながら摂食に歩き回り摂食が終わると糸を辿ってまた自分の台座にもどる。なかなか賢いものだ。夜間行動の習性は天敵から逃れるためではないか6令終令となるにしたがって昼間でも堂々と摂食する。
今年平成17年度はよく観察して正確なデータを取りたいものだ。前蛹の状態、蛹化、羽化とデジカメに収めたい。観察の記録は追々に記すこととする。
ところで約200個の卵が孵化したが食樹が鉢植えのものなので、まかないきれないので2令となった幼虫を平成16年7月15日実験的に115匹を林のエノキ(樹高約3m~6m)へ移動した。NM先生の蝶の子孫ということで先生宅へ50匹を里帰りさせた。残り35匹くらいなら自宅のエノキで飼育できそうだ
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孵化
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千葉市若葉区小倉町地内、6本のエノキへ40匹、千葉市若葉区多部田町地内、8本に60匹、千葉市若葉区市営平和公園東隣接地内、1本(大木)に15匹、合計15本のエノキに移動したうち、11月28日に8匹の越冬幼虫を採取持ち帰った。平和公園東を除いて小倉町、多部田町では去年の調査ではオオムラサキはもとよりゴマダラチョウすら見当たらなかった所なので、自分の放した幼虫に違いないと思った。まだよく見つければいるのかも知れないが、115分の8匹だから生存率からすれば7%だからよい方だと思う。今年平成17年も採取した同じ場所へ2令、3令幼虫を放虫移動させる計画を立てている。