20:10 2011/09/05
“チョウチョウ”とは
ほっかほっかの小学生1年生のとき、初めて教えられた歌が“ちょうちょう”であったことを覚えている。“チョウチョウ”といえば菜の花にとまり、花から花へと飛んで蜜を吸う。そんな光景は誰もが知っている“モンシロチョウ”を連想するに違いない。しかし”国蝶のオオムラサキ”“アオスジアゲハ”のようなきれいな蝶もいるのである。
“チョウ”とは何か、チョウは昆虫の仲間である。現在この地球上にはおよそ150万種の動物が棲んでいるとされその75%以上を昆虫が占めると云われている。
昆虫は体が頭部、胸部、腹部の三つの部分に分かれ、胸部と腹部はさらに小さな環節からなる。胸部には3対(6本)の脚と2対の(4枚)の翅をもつ。なかには翅をもたない種類や幼生期には異なった形態をしているものもある。
チョウの幼虫であるイモムシやケムシは、翅がなくたくさんの脚をもつ頭部に近い前の3対が成虫の脚になり、後の5対の腹脚は成虫になると消滅してしまう。幼虫時代すでに翅の原基が形成されているが外部からは見えない。
“チョウ”は“ガ”をふくめた“鱗翅目”というグループの一員であるカブトムシやクワガタムシなど固い2枚の翅がある“鞘翅目”、いわゆる甲虫類に次いで種類が多い。世界中で15万種におよぶ鱗翅目が知られ、そのうち約2万種余りが通常チョウとよばれている。ガのほんの一部がチョウなのである。
フランス語のPapillon(パピヨン)はチョウとガを区別していない。チョウは昼のパピヨン、ガは夜のパピヨンというように呼ぶ。チョウの大部分は昼間活動し、ガのほとんどは夜に飛翔する。しかし例外があり、昼間飛ぶガも少なくないし、夜明けごろや夕方のみ行動するチョウもいる。日本には約230種のチョウが土着している。この他台風などによって運ばれる迷チョウなどが50種以上報告されている。ガは約4500種が知られ、調査が進めばさらに数が増えるであろう。形態から比較すると、チョウの触角は先端が丸くふくらんだ こん棒状で、ガはおもに先端がとがるヒゲ状のものや、クシ、羽毛のようにたくさんの分岐をもつ種類が多い。それでもベニモンマダラというガはこん棒状の触角をもち、昼間飛ぶガの1種である。幾つかの例外を除いてチョウとガを区別することは難しい。 (渡辺康之著 チョウ(1)から一部 引用させて頂きました)