2011年9月30日金曜日

オオムラサキの飼育

17:02 2011/09/30

    
オオムラサキの飼育(2)
 
 
産卵直後は淡緑色、3日後表面の変色が始まり、やがてブドー色から全体が暗緑色に変色して産卵から7日経過で孵化、(無精卵は淡緑色のままで変色しないから判別できる)体長約4mm、体重約3mg(白米1粒約20mgの約7分の1)の頭の黒いのっぺりした1令幼虫となり孵化直後に自分の卵殻を食べ始め全部食べ終わると三々五々それぞれ食樹エノキの葉上で台座を作り静止する。 台座から糸を吐いて葉を食べに出かけ、食べ終わると再び吐いた糸をたどって台座に戻る。1令幼虫の期間6-9日経過、脱皮して2令幼虫と成長する。2令では頭部にツノを生じ、背上の突起も鮮明になる。2令幼虫の期間11-15日経過で脱皮して3令幼虫と成長、3令では体長約13mm、体重約42mg、背上の突起が高く鋭い三角状となり、朝、夕の摂食後台座で静止する。 



    
産卵から7日経過 孵化






1令幼虫 体長4mm体重3mg


   
1令幼虫の期間6-9日経過
脱皮して2令幼虫





 

2令幼虫の期間11-15日経過
脱皮して3令幼虫


2011年9月26日月曜日

オオムラサキの飼育

 15:13 2011/09/26

オオムラサキの飼育(1)

自宅の飼育ハウスはW1200mm×H1800mm×D450mm網目1mmの木造で極小さいものなので、幼虫の飼育は10頭ほどしか飼育出来ない。
もちろん食樹のエノキ(エゾエノキも含み)は鉢植えのもので、半分ほど摂食されたら新しい鉢と交換。手持ちの鉢植えエノキは24鉢、ハウス内には常に3鉢を入れて飼育。群馬国蝶オオムラサキの会の友人から小さなハウスではペアリング(交尾)しないと聞いていたので、ハウス内でのペアリングは人工ハンドペアリングに頼るしかなく何回となく試みてみたが、なかなか成功しない。
オオムラサキにも♂♀の生育状態で可・不可があり、相性があるのか?個体数が少ないとどうもうまく行かないようだ。
そこで千葉県東金市在住の大きなハウスで飼育している友人、飼育の先輩からペアリング済みのペアーを3組頂き、自宅の飼育ハウスに移した結果、鉢植えのエノキに産卵させることができた。エノキの葉にしがみついて一生けんめい次世代につなぐための産卵は葉裏へきれいに貼り付けてゆく、親蝶から教えられたわけでもないのに、引き継いだ本能で産みつけてゆくのだからたいしたものだ。そのメカニズムはどうなっているのだろう。あれやこれやと推測することには興味が尽きない。さっそくデジカメに記録した。

  
        求愛行動 左♂ 右♀


                              
                           ペアリング 上♂ 下♀

産卵
   















 
変色

 平成16年6月28日 産卵(交尾後7日経過)数は2~3回にわけて130個ほど(最高約500個の記録があるそうだ)をエノキの葉裏に産みつけた。産卵直後は淡緑色、3日後表面の変色が始まり、やがてブドー色から全体が暗緑色に変色する。

























2011年9月23日金曜日

”オオムラサキ”とはどんな蝶!

14:26 2011/09/23

“オオムラサキ”とは、

日本を代表するチョウで国蝶とされている。国蝶については、古くから議論されていたが、なかなか決定されなかった。1957年の日本昆虫学会において、オオムラサキを国蝶にすることが決められ、これが現在まで定着している。前翅長は43~68mmと大型で、裏面の地色は銀白色のものが関西系といわれ、そして黄色のものが関東系といわれるものがある。翅表は♂が青紫色の輝き、その中に白色斑、周辺に黄色斑をもつ。♀は♂より大型で、地色が黒褐色で、白色斑と黄色斑がある。後翅の後角部には赤色斑をもつが、これを欠くものがある。
              
                     ♀              ♂
        
故江崎悌三博士(1956)によると、イギリス人の園芸家フォーチュン(Fortune)という人が神奈川で採集して持ち帰ったものを、文久3年(1863)ヒューウィトソン(Hewitson)という蝶学者が名をつけて学会に発表した、と述べています。今から147年も前に蝶リストに登録をすませ昆虫界にデビューしたことになります。日本人は昔から知っていて、江戸時代の虫譜にも載っているそうです。本種の和名はオオムラサキ、これは万国共通ではなく、あくまでも日本だけに通用する名称です。 

学名 = 属名 Sasakia (ササキア) 種名 charonda(カロンダ) 命名者Hewitson(ヒューウィトソン) 属名のSasakia は日本昆虫界の先達、佐々木忠次郎博士にささげられたものです。種名のcharonda については、白水・黒子両氏の著書“蝶と蛾”(1966)に“西暦7世紀前のCatanaの祝福された計算者の名CHARONDASからきているものと思われる”と述べられています。

                      関東系                   関西系
                 

2011年9月14日水曜日

ちょうちょうの天敵

10:48 2011/09/14




オオムラサキの2令幼虫を捕獲して肉団子にする
セグロアシナガバチ数分の作業で見事な肉団子を
作り巣へ持ち帰るべく飛び立った。
2010.08.18 撮影 自宅飼育にて


                                                                       
                               セグロアシナガバチの巣
  



アメリカシロヒトリの幼虫を捕獲して肉団子にする
セグロアシナガバチ数分の作業で見事な肉団子を
作り巣へ持ち帰るべく飛び立った。
2010.08.18 撮影 自宅飼育にて
   

2011年9月5日月曜日

”ちょうちょう”とは

20:10 2011/09/05
“チョウチョウ”とは
ほっかほっかの小学生1年生のとき、初めて教えられた歌が“ちょうちょう”であったことを覚えている。“チョウチョウ”といえば菜の花にとまり、花から花へと飛んで蜜を吸う。そんな光景は誰もが知っている“モンシロチョウ”を連想するに違いない。しかし”国蝶のオオムラサキ”“アオスジアゲハ”のようなきれいな蝶もいるのである。
“チョウ”とは何か、チョウは昆虫の仲間である。現在この地球上にはおよそ150万種の動物が棲んでいるとされその75%以上を昆虫が占めると云われている。
昆虫は体が頭部、胸部、腹部の三つの部分に分かれ、胸部と腹部はさらに小さな環節からなる。胸部には3対(6本)の脚と2対の(4枚)の翅をもつ。なかには翅をもたない種類や幼生期には異なった形態をしているものもある。
チョウの幼虫であるイモムシやケムシは、翅がなくたくさんの脚をもつ頭部に近い前の3対が成虫の脚になり、後の5対の腹脚は成虫になると消滅してしまう。幼虫時代すでに翅の原基が形成されているが外部からは見えない。
“チョウ”は“ガ”をふくめた“鱗翅目”というグループの一員であるカブトムシやクワガタムシなど固い2枚の翅がある“鞘翅目”、いわゆる甲虫類に次いで種類が多い。世界中で15万種におよぶ鱗翅目が知られ、そのうち約2万種余りが通常チョウとよばれている。ガのほんの一部がチョウなのである。
フランス語のPapillon(パピヨン)はチョウとガを区別していない。チョウは昼のパピヨン、ガは夜のパピヨンというように呼ぶ。チョウの大部分は昼間活動し、ガのほとんどは夜に飛翔する。しかし例外があり、昼間飛ぶガも少なくないし、夜明けごろや夕方のみ行動するチョウもいる。日本には約230種のチョウが土着している。この他台風などによって運ばれる迷チョウなどが50種以上報告されている。ガは約4500種が知られ、調査が進めばさらに数が増えるであろう。形態から比較すると、チョウの触角は先端が丸くふくらんだ こん棒状で、ガはおもに先端がとがるヒゲ状のものや、クシ、羽毛のようにたくさんの分岐をもつ種類が多い。それでもベニモンマダラというガはこん棒状の触角をもち、昼間飛ぶガの1種である。幾つかの例外を除いてチョウとガを区別することは難しい。  (渡辺康之著 チョウ(1)から一部 引用させて頂きました)

2011年9月3日土曜日

ちょうちょうと遊ぼう

★15:32 2011/09/03
ちょうちょうと遊ぼう
古希を迎えたが歳のことは考えず、中学三年生の頃に戻りオオムラサキことオオムラ君や他の蝶たちと遊ぶことにした。
蝶の変態には驚きが一杯だ。卵、孵化(フカ)脱皮を数回繰り返して緑色の幼虫に、黒色の毛虫に、そして蛹にと変化、何日かの時を経ていよいよ羽化(ウカ)蝶としてこの世の空間へ自由に飛び立つ。その姿に乾杯だ!
あの緑色の虫、あの黒くて怖そうな毛虫からなんと美しい蝶に生まれ変われるのか?実に蝶の世界は不思議だ。これは地球上のすべてのものに云えることかもしれない。
唐の詩人李白の「春の日に酔いより起きて志を言う」という詩に“世におることは大いなる夢に似たるになんすれぞその生をつからすや・・・”という五言の詩があるのだが、むかし荘子という哲学者は胡蝶になった夢を見てあの夢の中の胡蝶がほんとうの俺でこうして人間として暮らしている俺のほうが夢なのかもしれないと。
そのように思ったとき蝶の世界にのめりこみ、それを知って、桃源の世界に浸るのが楽しくなる。
平成16年10月26日